バセドウ病と眼の症状その1

バセドウ病の症状のなかで、特に特徴的なものは眼の症状です。バセドウ病
と言う名前から、「眼が飛び出す病気」と言うイメージを持っている人が多
いですが、それは、バセドウ病のひとつに眼球突出という症状があるからで
す。
バセドウ病患者が眼に異常をきたす症状を「バセドウ眼症」と呼んでいます。
この症状はインターネットで画像検索しますと、その症状を見ることが出来
ますが、ちょっとひどい症例も掲載されています。
バセドウ病と診断されると、どうしてもこの眼球の症状が気になり、自分が
将来的にどうなってしまうのか、そんな不安もあることから、眼球突出の症
状をネットで調べる人も多いです。ですが、このバセドウ病の眼に出る症状
は、すべての人がそうなるわけではありません。代表的な症状でありますが、
眼の症状が出る人のほうが少ないと思ってよいでしょう。
では、なぜ、バセドウ病にかかると、眼球突出の症状が出るのでしょうか?
それは、眼の筋肉である、外眼筋や眼窩脂肪が、バセドウ病により炎症が起
きます。次第に肥大してきますので、その部分の体積が増加します。そうす
ると、眼窩内の圧力が高くなってしまい、眼球が押し出されてしまうのです。

バセドウ病を治療中であっても、眼球突出がある方がいますし、眼球突出の
ない方もいます。一般的に見て、バセドウ病患者のなかでどれくらいの方に
眼球突出があるのかと言いますと、30 パーセントぐらいの方に眼球突出の
症状が出るようです。
バセドウ病と眼の症状

バセドウ病と眼の症状その2

バセドウ病自体がコントロールできているのに、なぜか眼球突出がひどい方
もいますし、その逆の場合もあります。その理由は、眼窩組織が炎症を起こ
すのは、甲状腺ホルモンの量とはむしろ関係がなくて、バセドウ病自体の発
病原因とされている、自己抗体の影響が大きいためだと言われています。
若い人ほど、この眼窩支持組織が柔らかいので、その分、眼球突出が強く現
れるケースもあります。
そのほかにも、バセドウ病になると、眼にいろいろな症状が出ることがあり
ます。バセドウ病はそもそも甲状腺ホルモンが出すぎてしまう病気です。こ
のホルモンが平滑筋を刺激することで、まぶたの筋肉が緊張します。これに
よって眼瞼後退や、まぶたの腫れ、まぶたのむくみ、また、逆さまつげ、充
血、なども起こります。
さらに、ドライアイや、複視、視力低下などの症状が出るケースもあります。
眼の異常から病院にかかり、バセドウ病を発見できた人も多いくらい、眼と
バセドウ病は深い関係があると言ってよいでしょう。
バセドウ病によって、目を動かす筋肉が一度、炎症を起こしてしまうと、以
後、筋肉の動きが悪くなります。複視と呼ばれている、ものがダブって見え

る症状が出ます。
この場合の「ダブって見える」とは、片目で見ると、一つに見えますが、両
方の目で見ると、モノが二つに見えることを指します。すでにバセドウ病と
診断された方のなかで、このように眼に気になる症状がある場合は、さらに
眼科に行くことをお勧めします。
バセドウ病と眼の症状

バセドウ病と眼の症状その3

ですが、ただの眼の病気ではなく、バセドウ病が原因で、それらの症状が起
こっているので、このようなケースは病気を熟知している専門の眼科へ行く
と良いでしょう。
バセドウ病の専門医にかかっている方は、担当医師に眼科を紹介してもらう
ことも出来ますので、相談してみましょう。
もちろん、バセドウ病以外の原因で、眼のトラブルが起きている人もいます
ので、一概にバセドウ病だけが原因とはいえません。眼球突出にならないた
めにも、早い時期に適切な治療をすることが大切です。
また、治療を開始したからと言って、短期間で治る病気ではありません。バ
セドウ病は、気長に付き合っていかなければならない病気なので、あせるこ
と自体も、ストレスに繋がってしまうでしょう。
ストレスはバセドウ病にはとても悪い影響を与えるので、あせらず、あまり
気にしすぎず、ゆっくりと治療を続けることが大事です。眼の症状ばかりを
気にしすぎて、心配が過度になり、うつ状態になってしまう方もいらっしゃ
います。
また、バセドウ病には喫煙はとても悪い影響を与えますが、眼症にも、かな

り悪い影響が出ます。タバコを吸っていない人に比べて、タバコを吸ってい
る人は、眼球突出の症状がひどくなるというデータもあります。症状を悪化
させないためにも、喫煙はやめましょう。
バセドウ病による、眼の病気である、甲状腺眼症を悪化させてしまう「3 大
因子」と言うものがあります。それは、喫煙を筆頭に、ストレス、寝不足が
あげられます。
バセドウ病と眼の症状

バセドウ病と眼の症状その4

ストレスは誰でも持っていますから、ストレスをゼロにすることは不可能で
すよね。ですが、寝不足と喫煙でしたら、自分の努力次第で、生活を見直す
ことで解消されると思います。
禁煙をして、就寝時間をたっぷりとっただけで、バセドウ病による、まぶた
の腫れ、目の痛みが改善された症例は多くあるそうですから、それだけでも
眼には有効でしょう。
急性期の甲状腺眼症に気が付き、ちゃんと治療を始めればよいものの、この
時期はどうしても見逃してしまうことが多いです。患者自体が、症状が出て
から、ある程度時間が経って眼の病気に気づいて、それから病院に行くケー
スが多いからです。
急性期である、甲状腺眼症の治療は、主にステロイドの全身に投与し、眼窩
部の炎症をしずめ、甲状腺眼症の活動自体を抑えます。このステロイド治療
は、慢性化してしまった症状にはあまり効果が期待できません。
ですから、軽い症状の場合はステロイドの投与で治療しますが、症状がひど
い場合、また、内服することで治療効果が期待できない場合は、大量点滴療
法(パルス療法)になります。

ステロイド治療の効果が出てくると、それまでに炎症を起こしていた、まぶ
たの腫れや赤みがとれて、目の奥の痛みが消えます。そして、眼の筋肉も炎
症がおさまってきますので、目の動きが良くなって、さらに、複視の範囲も
だんだんと狭くなってきます。
バセドウ病と眼の症状

バセドウ病と眼の症状その5

バセドウ病の症状が眼に出てきた場合、ステロイド以外の治療法としては、
放射線療法があります。甲状腺眼症における、放射線療法は、眼窩部に放射
線を照射して、リンパ球の浸潤を抑えます。
この放射線療法は、先ほどのステロイド投与ほど、迅速に効果は出ませんが、
副作用がほとんどないことが特徴です。ですから、ステロイドを使えないバ
セドウ病の患者さんや、ご高齢でステロイド全身投与が難しいケースに使う
治療方法です。
病院によっては、外来通院によって、放射線治療が出来るところもあり、入
院が不要なため、とても簡単に治療を受けることができます。
これらの治療法のほかに、バセドウ病の甲状腺眼症が慢性期に入った患者さ
んで、眼球突出があらわれている方は、手術をすることもあります。目の周
囲の骨を一部、削る手術もありますし、両目の位置がずれている、斜視に対
する斜視手術など、外科的治療も行われています。
これらの手術などは慢性化した場合に行うことですから、とにかく初期の段
階で治療を開始できれば、内服などの簡単な治療法で済むわけです。バセド
ウ病を発症していない方であっても、病気に対する知識は大切です。

バセドウ病は身近な病気であり、誰でも発症する可能性があるということを
頭に置き、目の病気もバセドウ病が原因で起こっているケースがあることを
知っておくことが必要です。
そうすれば、自分がこのような症状になったとき、家族に症状が出たとき、
放置しておかず、「バセドウ病かもしれない」と疑うことが出来ます。そう
なれば、病院へ初期段階で行くことも出来るでしょう。手遅れになり、手術
が必要になってしまうケースも実際にありますから、バセドウ病を他人事だ
と思わず、明日はわが身だと思ってくださいね。
バセドウ病と眼の症状

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